私は学生の頃スポーツジムに通っていた。スポーツジムには大概お風呂とサウナが併設されている。私はそこでサウナのよさに目覚め、いつしかスポーツジムに通う第一の目的が運動ではなく、運動後のサウナになっていった。
それ以来「サウナー」(←サウナ好きの人をこう呼ぶようだ)として、サウナを人生の楽しみの一つと位置づけ、サウナとともにこれまで生きてきた。『サウナ・スパ 健康アドバイザー』の資格も取得した。
さて、私のようなサウナーにとってはチェックせずにはいられない動画を見つけた。オリエンタルラジオの藤森慎吾さんによる「サウナ学」講義だ。
とてもおもしろく、とてもためになるものだったので、備忘録を兼ねて感想を書いておきたい。
サウナは流行っている
藤森さんによれば、サウナは今流行っているようだ。さらにサウナというと男性、それも「おっさん」のイメージだが、今や男性だけでなく女性の利用者も増えているとのことだ。
私の家にはテレビがないこともあり私は世間の流行を知らない。そのためサウナが流行っているというのは初耳で、藤森さんにそう教えられて割とびっくりした。
ただ私個人としては、サウナに行っても特に人が増えてきたような印象は今のところない。
サウナとは水風呂である
「サウナとは水風呂である。」
藤森さんはこのようにサウナを定義している。要するに、サウナはサウナで終わりにしてはいけない、そのあとの水風呂もセットで楽しもう、ということだ。
私もこの意見に同意する。
もしサウナにいっているのに水風呂に入っていないかたがいるなら、私も藤森さん同様水風呂に入ることを勧める。私も当初は水風呂が怖くて入れなかった。だが意を決して水風呂に飛び込んだ時、新しい世界の扉が開いた。水風呂でしか味わえない快感があることを請け合う。
水風呂を躊躇しているかたは、勇気を持って飛び込んで欲しいと思う。
水風呂に入る前には、熱いお湯で汗を流せ!
藤森さんはこのように言う。
これは目から鱗だった。
水風呂に入る前にはサウナで出た汗を流さなければならない。私はそのとき水風呂の水を桶ですくい、その水で汗を流していた。このやり方だと水風呂に入る前に身体の熱が奪われてしまう。
出来るだけアツアツの状態のまま水風呂に入りたい、なのにその手前で熱を奪う行為をしなければならない。
藤森さんのやり方はこの葛藤を解消してくれる。熱いお湯で身体を流せばアツアツ状態が維持される。このやり方にこれまで気づかなかった。早速真似させてもらおう。
サウナ12分→水風呂3〜4分→ベンチ15分→ととのう
藤森さんの提唱するサウナルーティンだ。
サウナ12分
サウナ内には12分時計が設置されているところが多くある。12分で一周する時計だ。
そのため、藤森さんに限らず、12分を区切りとするサウナーは多いのではないかと推察する。ちなみに私も12分一区切り派だ。
水風呂3〜4分
サウナでアツアツになった身体を水風呂にひたすと直後は冷たい。だが5秒もすると身体の熱で身体の表面の水が温かくなってくる。藤森さんはこれを「天使の羽衣」をまとった状態と言っている。
その後、水風呂の冷たさによって身体の熱が天使の羽衣とともに消えていく。ここまでで3〜4分を要する。
ベンチ15分
水風呂を出た後、ベンチに腰掛ける。静かに黙って座り続ける。すると徐々に身体に熱が戻ってくる。通常の体温に戻るまで約15分。
ととのう
サウナにより身体の熱をあげ、水風呂で下げ、ベンチであげて通常に戻す。
この戻った状態を「ととのう」というようだ。すると身体が覚醒し、快楽の極みに達する。
「サウナ道」を極めた藤森さんのこのあたりの解説はとても勉強になった。
「水風呂気持ちいい!」「水風呂後が最高!」とサウナーなら誰もが感じているだろう。藤森さんはそうした感覚的なことを、目安となる時間を示しつつ体温変化のダイナミズムとして分析、解説し、あるいは「天使の羽衣」「ととのう」といった記憶に残りやすい言葉を使って噛み砕き、理解可能なものとしてくれた。
理解可能となったことで、これまでのサウナの入り方を見つめ直すことができる。私はこれからサウナをより深く楽しめるようになるだろう。
サウナの聖地「しきじ」
サウナに聖地があるようだ。知らなかった...
しきじが聖地とされる理由は水風呂にあるようだ。水風呂が天然水であるため他では味わえない心地よさがあるらしい。私もいずれ一度は行ってみたいものだ。
私のおすすめサウナ「小山温泉思川」
最後に私のおすすめサウナを紹介させてほしい。
しきじが聖地認定されるに際し、サウナ施設の優劣を決める基準として水風呂が用いられた。私も近辺のサウナ施設の優劣を考える際には水風呂を基準としている。
私のおすすめサウナは小山温泉思川のサウナだ。
ここの水風呂(↓画像)はすばらしい。
水風呂が思川を見渡せる屋外にあり爽快感がある。
水風呂の浴槽が大きな木の桶で深さがある。そのため寝そべるようになることなく、身体全体をゆったりと水につけることができる。
水温は他の施設の水風呂に比べやや低めで、常にその水温で安定している。水温は低ければいいというわけではないのだが、場所によってはぬるまったいところがある。そういう水風呂は入っていても気持ちよくない。ここの水風呂はいつも冷たく、安心して身を任せられる。

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